TOPページ環境への取り組み → きれいな水と空気のために

日本の排水規制は、世界でも指折りの厳しさです。さらに各地方自治体が、その地域の特性に合わせて、一段と厳しい規制値を定めています。製紙工場は色々な方法でその基準値をクリアし、環境を汚さないように努めています。

■排水中の汚濁物質を除去する方法

製紙の工程で発生する汚濁物質をペーパースラッジと言います。
抄紙機の網から落ちたパルプの微細繊維や、紙の表面加工に使っていた炭酸カルシウム、クレイなど
がその原因です。このスラッジを取り除いて、水をきれいにする方法は一般的に2つあります。
  1. 凝集沈殿処理(クラリファイアー)
    汚濁物質(ペーパースラッジ)を沈殿させ、PHと濁度を調べてから、上澄み液を排水します。
  2. .生物処理
     バクテリアに有機物質を食べさせて、BOD値を↓げる。 
↑クラリファイアー:
 沈殿したスラッジはすくい上げて、脱水焼却します。
↑排水の生物処理装置:
 右側のタンクには、バクテリアの栄養剤が入っています。

■工場排水の監視

工場用の排水路が、海に達する途中で、数回の水質検査が行われます。基準値をオーバーした排水が流れた場合、直ちに汚染排水の回収、または処理を行います。

■大気汚染への対策

製紙工程で主に使用する燃料の重油や石炭からは、硫黄酸化物や窒素酸化物が発生します。それらが空気中に排出されると、上空の水蒸気に付着して、酸性雨をひきおこします。

その対策としては、製紙工場では、低硫黄の燃料の使用、排煙脱硫装置脱や硝装置の設置、排ガス再循環による燃焼などを、各工場規模や使用している燃料、工場のある地域の特性などから考えて採用しています。中には、牛乳パックの再生処理で分離回収した廃ポリエチレンフィルムを高温焼却して、蒸気ボイラーに利用している工場もあります。

また他に、煤塵や臭気の問題もありましたが、これらも各種集塵機や臭気の発生源の徹底調査などによって改善・解決されています。

製紙工場の煙突からのぼる煙のようなものが白く見えるのは、水蒸気のせいです。有害物質は、あらゆる方法によって減少の対策をとっています。今後ともより一層の環境改善をめざして、たゆまぬ努力を続けて参ります。
↑製紙工場と煙突